FamBodia編集部
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新たな中学校の建設が始まって7ヶ月。
学校名は「ゼネラルリンクスヴァイドムナック中学校」に決まり、校舎の完成まで残すところあと2ヶ月ほどとなりました。
そこで今回は、中学校に入学予定の生徒や保護者に向けて「説明会」を開催すべく、カンボジアプロジェクトメンバーで小学校を訪問してきました!
カンボジアプロジェクト~これまでのあらすじ~
- 2016年9月
- 2017年2月
- 2017年11月
- 2018年7月
カンボジアプロジェクトが始動。
スヴァイドムナック小学校に3教室を建設。
カンボジア訪問にてインタビューを実施。
中学校建設プロジェクトがスタート。
学校名は「ゼネラルリンクスヴァイドムナック中学校」に決定。
中学校の建設が進行中。保護者に向けて説明会を開催 ← 今回!
完成間近!ゼネラルリンクスヴァイドムナック中学校とは
私たちは以前建設した小学校を卒業する生徒たちのため、続けて勉強できる環境を作ろうと、
「ゼネラルリンクスヴァイドムナック中学校」の建設をスタートさせました。
中学校建設プロジェクトを始めた経緯については、
こちら(https://fambodia.com/junior-high-school/)の記事で詳しくお話ししていますので、
ぜひご覧いただければと思います。
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現在の建設現場はこんな感じ。
建物全体が出来上がり、ずいぶん校舎らしくなってきました!
カンボジアは5月下旬〜10月下旬が雨季のため、雨の影響で工事が少し遅れていますが、9月頃には完成する予定です。
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スヴァイドムナックは、プノンペンから車で1時間ほどの距離に位置する村。
いたるところに、牛がたくさん…!
住人の9割が農業で生計を立てている、プノンペンのような都市とはかけ離れた地域です。
そんな村に、約一年半ほど前に建設したのが「スヴァイドムナック小学校」でした。
スヴァイドムナック小学校が開校してから
私たちがスヴァイトムナック小学校を建設してから、小学校周辺の環境はだんだんと改善されつつあります。
雨の日は泥だらけになるようなガタガタだった道が、きれいに整備され、歩行者を巻き込むバイク事故が減少。
村の外のお医者さんが以前より短時間で駆けつけられるようになるなど、
1つの学校建設が、村の方々や子供たちの命を救うことにつながりました。
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私たちは新たな中学校建設プロジェクトを通じて、
村の環境をさらに良くしていきたい、「まちづくり」のお手伝いをしていきたい
と思っています。
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多くの村の方々が盛大にもてなしてくれた昨年の小学校開校式の様子は、
こちら(https://fambodia.com/cambodia-school-project-03/)の記事で紹介していますので、よろしければぜひご覧ください!
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▼私たちがカンボジア支援にかける想い
入学予定の生徒や保護者に向けて説明会がスタート!
今回私たちは、中学校に興味を持ってくれている小学5~6年生とその親御さんに向け、説明会を開催してきました!
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できるだけ多くの子供たちに入学してもらえるよう、隣村の小学6年生にも集まってもらい、
2つの教室はすでに満員状態に。
まずはクメール語で自己紹介に挑戦。
子供たちが自分の名前を復唱してくれるだけで、嬉しさが溢れます…!
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今回の説明会のゴールは、
「中学校の教育が子供たちの将来をどれだけ豊かにしてくれるものであるか」
を参加者全員に理解してもらうこと。
しかし、集まってくれた村の人たちは、そもそも「日本」という国を知らなかったり、
農家や先生・お医者さん以外の職業を知らなかったりする人がほとんど。
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そこで私たちは、
「どうしたら分かりやすく説明できるか、多くの人に理解してもらえるか」を考え、
事前にフリップを作成していました!
「日本はここです!私たちはここから来ました!」
「中学校に入ることで、子供たちの将来の夢、仕事の選択肢を増やすことができます。
例えば、会社員やホテルマン、パイロットなど…」
話を聞いてくれている表情から、真剣な様子がうかがえます。
気付けば窓からのぞき見る子供たちで廊下はいっぱいに。
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「中学校で英語を勉強したい人ー!」
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「はーーーーーい!!!!!」
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説明会の最後には、子供たちに文房具セットをプレゼントしました。
大事そうに抱えてくれている子供たちを見ると、とても嬉しい気持ちでいっぱいになります…!
プレゼントと一緒に、事前に準備していたビラも配りました。
「説明会に参加できなかった多くの保護者の方々や子供たちにも、中学校に興味を持ってもらえますように…」
そんな想いが込められています。
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最後はみんなで記念撮影!
説明会の開催は、私たちにとっても初めての試みでした。
「中学校にかける私たちの想いがちゃんと伝わるだろうか…」
という不安もありましたが、なんとか無事に成功を収めることができ、一安心です!
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グラウンドでは、校長先生たちがココナッツジュースを用意してくれていました。
右側に座られている方は、スヴァイドムナックの村長。
左隣の方は、なんとカンボジアの教育長です。
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村の教育の根幹にかかわる方々に直接お話をうかがえる、とても貴重な機会。
メンバーの顔も少々緊張気味に。
私たちの質問に真剣に答えてくださった教育長からは、
「まだまだ勉強できる環境にない子供たちに、十分な教育を与えたい」
という熱い想いが伝わってきました。
今回伺ったお話は、今後の支援にもしっかりと役立てていきたです。
小学6年生にインタビュー!中学校ができた感想や将来の夢は?
説明会終了後、参加してくれた6年生の女の子・男の子にインタビューをしてきました!
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まずお話を聞かせてもらったのは、可愛らしいの女の子たち。
右から、スラムウェイちゃん、ラチェナちゃん、セウレイちゃんです。
私たちのお母さんは英語が話せないから、家で勉強していて分からなかったことは、学校で先生に聞いてるよ!
真剣にインタビューに答えてくれた3人。
笑顔で自分の夢を教えてくれた彼女たちから伝わってきたのは、
心から「英語が好き」「勉強が好き」という気持ち。
私たちが小学6年生だったころは、こんなに勉強してたっけな…
しっかり者の女の子たち、偉すぎます…!!
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つづいて、ちょっぴり(かなり?)シャイな男の子たちにも話を聞いてみました。
右から、チャンラーくん、パンヌくん、セーランくんです。
サッカーはテレビで試合が放送されているほど、カンボジアではメジャーなスポーツです。
子供たちもよくサッカーをして遊んでいるそうですが、カンボジアで有名なのは欧州のサッカー。
現地のサッカーチームはまだまだ無名で、選手たちのお給料はあまり良くないのだとか。
やっぱり男の子にとっては、遊びのほうが楽しいのは当然ですよね!
終始お互いの顔を見合わせながら、インタビューに答えてくれた3人。
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カンボジアの男の子は本当に照屋さんでした(笑)
先生たちにインタビュー!中学校に期待していることは?
説明会に参加してくれていた、2人の先生にもお話を伺いました。
こちらは、1年生の授業を担当されている先生。
スヴァイドムナック村で生まれ育ち、
高校を卒業してから約8年間、ずっとこの村で子供たちを教えています。
まだ十分な教育環境が整っていないスヴァイドムナックで、学校の先生になるのは、
決して簡単なことではありません。
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彼は小さいころから先生になるのが夢で、そのために「必死に勉強した」といいます。
今は学校ができて、子供たちの親も仕事に就けるようになったし、
少しずつ改善されてきているよ。
今ここで勉強している子供たちには、いい仕事に就いて、
家族を助けてあげられるような存在になってもらいたいね。
長い間村にいる彼によれば、昔の教育環境はやはり今とは違っていたよう。
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教育環境をよくするために、
今必要なことは何かと聞くと、こんな答えが返ってきました。
例えば英語の授業で、子供たちに単語を教えるときは苦労するね。
果物とか乗り物とか、それを一度も見たことがなかったり、知らなかったりする子たちがほとんどなんだ。
だから、そんな子供たちにも分かりやすい見本なんかがあったら、便利だなと思うよ。
私たちからしてみれば想像もできませんが、カンボジアの農村部ではこれが普通のこと。
分かってはいたつもりでしたが、
スヴァイドムナック村の現状を目の当たりにして、さすがに驚きを隠せませんでした。
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つづいてお話を伺ったのは、小学校のすぐ隣にある孤児園の先生。
孤児園を卒業した子供たちは、隣のスヴァイドムナック小学校に1年生として入学してきます。
まだ幼い子供たちには、クメール語の文字や色などを教えているそうです。
子供たちには小学校を卒業して、新しい中学校でもしっかり勉強して欲しいと思っているわ。
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こころよくインタビューに答えてくださった先生方。
先生になるために必死に勉強をして試験を受けたりと、努力あってこその今なのだなと感じました。
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お2人とも私たちの説明会を喜んでくれていたのですが、さらに嬉しい出来事が…!
通訳を担当してくれていた女性が、説明会に参加してくれていたお母さんたちから、
「はるばる来てくれて感謝している」
「とても良い説明会だった!」
「中学校を建ててくれて本当に嬉しい」
という感想をもらってくれていたんです!
インタビューを通して、カンボジアの人々がとてもシャイだということはひしひしと感じられました。
それはお母さんたちも同じで、言葉も通じない私たちには、なかなか直接話しかけることができなかったんだとか。
そこで通訳の方に、「感謝の気持ちを伝えて欲しい」とお願いしていたそうです。
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子供たちを学校に通わせるお母さん方からこのような感想をいただけて、本当に嬉しかったです…!
私たちにとって初めての試みではありましたが、説明会を開催して、心から良かったと思えた瞬間でした。
中学校の建設をお手伝い!建設作業を体験
インタビューにつづいて、中学校建設現場の見学もさせていただきました!
カンボジアプロジェクトメンバーも建設作業をお手伝い!
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まずはお手本を見せてもらいます。
ベテラン職人さんに見守られながら、いざ挑戦…!
あらら…ガタガタですね(笑)
簡単そうに見えて、実は意外と難しいんです…(汗)
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塗り終わったら、壁全体をきれいに整えます。
やはり力仕事は、男性のほうが頼りになりますね…!
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つづいては、教室内の教壇部分を作ります。
カンボジアの建物は、こうしてレンガを積み上げた後、コンクリートで覆うのが一般的。
ただしコンクリートは値段が高く、貴重なものだそうで…
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職人さんたちはメンバーが落としたコンクリートを、すぐに駆け寄ってキャッチしてくれていました。
なんだか下手で申し訳なかったです…(笑)
村の元気な子供たちと「福笑い」に挑戦!
最後に、学校に集まっていた元気な村の子供たちと、日本から持参した「福笑い」で遊びました!
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初めて見る「福笑い」の道具を不思議そうに見つめる子供たち。
まずは私たちがお手本を見せます!
すぐにルールを理解してくれた子供たちは、「私も私も!」と乗り気に。
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「右右!!あ、もうちょっと左!」
「このへんでいい…?」
「もっと下だよ!…ストップ!そこ!!」
せーの、オープン!!!!
おおーー!!初めてにしては上出来!!!
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盛り上がりをみせる「福笑い」に、校長先生も興味津々です(笑)
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子供たちが笑いながら楽しんでくれている様子を見て、私たちも一安心。
言葉が通じなくとも、一緒に笑顔になれる「遊び」の偉大さを感じました…!!
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福笑いは学校にプレゼント。
今後も、学校に集まった子供たちみんなで楽しんでもらえれば嬉しいですね!
最後に
今回の訪問では、説明会の開催を通して、
スヴァイドムナック村の人々の「中学校への期待」を感じることができました。
楽しみにしてくれている人が多いのは、とてもありがたいこと。
しかし学校を建設しても、まだまだ教育環境は十分に整っていないのが現状。
私たちにこれから出来るのは、
少しでも多くの子供たちが、よりよい場所で十分な教育を受けられるよう、
学校環境を整えていくことかもしれません。
建設した小学校が、子どもたちや村の人々が自然と集まる場所になっているように、
中学校も「村の人々のコミュニケーションの場」になってくれれば嬉しいですね!
次回は中学校開校式の様子をお知らせします!
無事校舎が完成するまで、お楽しみに!